4年前、札幌市郊外に2,100万円で新築マンションを購入したTさんは、奥さんとお子さんの3人暮らし。不況が続く経済状況の中でも、勤務先の業績はそう悪くもなく、収入も安定。ローンの返済も順調で、Tさんの生活は幸せそのもの。近々昇進することも決まって、これからも順風満帆な生活が続いていくものだと、Tさん一家は信じて疑っていませんでした。しかし、思いもしなかったことが原因となって、Tさんは住宅ローンの悩みを抱えることになりました。
その思いもしなかった原因とは、Tさんのお兄さん。Tさんのお兄さんは仕事の都合で旭川に在住しており、7年ほど前にマンションを購入。Tさんはそのマンションの連帯保証人になっていたのですが、そのお兄さんのマンションが競売にかけられることになってしまったのです。お兄さんには1,500万円の住宅ローンが残っていましたが、直近の周辺マンションの売買成約事例からすると実勢価格は800万円程度。これでは競売後にも債務が残ることは間違いなく、Tさんにも請求が来ることは間違いないと思われました。自分自身のローンも抱えているのに、兄の分まで負担するのはとてもじゃないが無理だ！と考えたTさんは、半ばあきらめ気味になっているお兄さんを必死で説得し、任意売却を専門に扱う弊社に相談に来られました。
競売開始の通告を受けて数週間、800万円での売却を決めることができました。そこからお兄さんの引越し費用や、また仲介手数料などを差しい引いた700万円が債権者に支払われ、残債務は800万円となったのです。Tさん自身もまだ1,900万円以上のローンが残っている上、マンションの実勢価格も1,500万円前後であったため、お兄さんの債権者はTさんのマンションに対して強制執行することもできません。残債務の支払いも交渉の結果、毎月1万円となって、Tさんはホっと胸を撫で下ろしていらっしゃいます。
