今日は、朝から物件の決済がありました。
買主さんは、住宅ローンを利用するため、融資銀行にて決済となりました。通常は、売主さん・買主さん・仲介業者・司法書士・抵当権を設定している金融機関の担当者が集まりますが、今回の決済は非常に変則的なものとなりました。
なぜなら、抵当権を設定している金融機関の担当者が来ず、しかも抵当権抹消に必要な書類がなんと東京なのです。
当然、融資銀行は抵当権の抹消書類が確認でき、しかも即座に法務局に登記申請ができるというのが融資の絶対条件です。なぜなら、万が一資金を融資して抵当権の設定をする前に何かの事故があったら融資担当者の責任問題になるからです。
しかし、抵当権設定金融機関は、資金の着金を確認して抹消書類を渡すと言うのです。それは無理なことを何度も説明して、なんとか札幌まで来てもらいたいとお願いしましたが結局対応してもらえませんでした。
物件は、差押えられていて、競売開始決定がなされている物件でした。しかも、債権額は売却基準価格以下の為、債権者はわざわざ札幌まで行って対応しなくてもそのまま競売で進めた方が楽と考えたのかもしれません。いずれにしても、債権者が融資金の回収後書類を渡すというのは初めての経験でした。
当然、このようなやり方では融資金融機関の承認はもらえません。そこで、登記の電子申請を利用して即座に登記申請を行う方法を提案したところ、前例はないが今回はそれで対応してくれるとのことでした。
そこで司法書士に東京まで行ってもらい、抹消書類を確認してもらい、資金を実行し、振込み、着金確認、抹消書類を貰い、登記の電子申請、札幌まで戻り当日競売取り下げ、法務局に書類提出、完了。
現在、不動産の登記は電子申請が可能になっていますが、もしこの制度がなければ今回の売買は成立しませんでした。