最近こんな事例がありました。任意売却の買い手が決まり契約を締結しました。当然、関係している債権者の事
前応諾は取れています。決済まで10日という時点で売主さん(任意売却依頼者)から、「実は、〇〇クレジッ
トから訴訟され、昨日判決が出たのです」私は、訴状の段階でなぜ教えてくれなかったのですか?と尋ねると、
「不動産とは関係の無い借金だから言わなくて良いと思った」と言われア然といたしました。
確かに不動産の抵当権者ではありませんが、訴訟により判決が出ると「仮執行宣言」と言って不動産を差押える
ことが出来てしまいます。
競売での処分の場合裁判所が処分費用の配分を行いますが、任意売却は、全ての債権者の合意のもとに行うため
決済が出来なくなるかもしれません。買主さんに迷惑をかけるかもしれません。
しかし、任意売却の契約書には「債権者の合意が得られなかったり、新たな債権が発生して抹消出来なかった場
合は、契約を白紙解除とする」との特約を付しています。ですから万が一の時は契約を諦めれば何のペナルティ
もありません。
只、任意売却期間が長期化し、この度の契約を逃すと競売にすると債権者から言われていて何とか競売だけは避
けて頂きたいとの想いから主たる債権者さんに事情を説明し、当社で即日買取をし、買主さんには以前の契約内
容のまま新たに契約をしていただきました。当然、当社の利益は殆んど無くなってしまいました。
お客様から任意売却の依頼を頂く際、住宅ローンの状況、税金の納付状況、管理費等の支払い状況、その他のク
レジット関係をお聞きしていますが、中には全てをお話頂けない場合もあるようです。
任意売却は競売に比べメリットが多い大変有用な売却手法ですが、ご依頼者の協力がなくては成功できません。
今後は任意売却を今以上にスムーズに行うためご依頼者からより信頼いただける様にスキルアップをして参りま
す。今回はとても勉強になりました。