8月は支援機構4件、民間金融機関3件、合計7件の任意売却が完了しました。
その中のお一人は、昨年12月に相談に来られた自営業者の方で、20年近くご商売をされていらっしゃいますが、同業他社の増加に伴い利益を確保することが難しくなり、更にご高齢のお母様の医療費がかさみ、消費者金融からの借り入れで当座をしのぎ、事業の立て直しを図ってこられましたが、月々17万円の返済は思うように行きませんでした。
任意売却をしても多くの債務が残り、他にも多くの債務がありますので、自己破産をお勧めしましたが、ご本人の強い意向により個人再生を選択され売却を進めることにしました。
4月から売り出しを始め4ヶ月かかりましたが売却を完了することができました。滞納していた管理費等、差し押さえ解除費用は債権者に控除していただき、更に交渉の末30万円の引越し費用の捻出に成功いたしました。
決済が終わり、新生活応援資金をお渡しいたしましたところ、眼に涙を浮かべ何度も何度も頭を下げてくださいまして、私もお客様の新しい生活が何とかスムーズにスタートできることを願わずにはいられませんでした。
2009年12月より「金融円滑化法」が施行されています。ローンの返済が難しい方は、是非、金融機関に相談をしてください。金融機関は一定期間利息のみの返済や、返済期間の延長など積極的に相談にのってくれます。
それでも返済が困難な場合は、無理してローンを支払う必要はありません。ローンの支払いより大切なのは、家を守ることではなく家族を守ることだと思います。家族が一致団結していれば多くの困難を乗り越えられます。
今までに約350件の任意売却を担当させていただきましたが、私はお客様から実に多くの事を学びました。ご依頼者は、私が思っている以上に現実に悩み、真剣に将来のことを考えていることを。
これからもこの仕事を続けて参りますが、ご依頼者の新しい第一歩がスムーズに踏み出せるようより知恵を絞り、汗を流すという気持ちを決して忘れることなくサポートを続けて参ります。